2013年8月9日鹿島槍ヶ岳


天気はいいはずなのだが、完全に雲の中。
待てば晴れる可能性は高いが、何時間もは待てない。
仕方なく出発。
来た道を帰る。
爺ヶ岳は中峰を巻き、南峰山頂でしばらく待ってみたが残念。
何も見えなかった。

種池山荘近くでようやく少し雲が取れてきた。
針ノ木岳などの雄大な眺めと高山植物のお花畑に再び出会えて幸福感に包まれた。
ずっと一人なのに、寂しいということがまるでない。
楽しくて仕方ないし、この上ない幸せを感じる。

ツルリンドウ(C)





ツルアリドウシ(C)



順調に下っていたら、なんと扇沢10時のバスに乗れた。
その次は11時半。
ただし午後は30分に1本。
この時間に帰る人は少ないのだろう。
所要時間4時間、歩行時間3時間30分。

<地上>
地上はいい。
蛇口をひねれば水がすごい勢いで出る。
しかも飲むことができる。
トイレはぽっとんでも水がちょろちょろ出る簡易水洗でもなく、ちゃんとした水洗トイレ。
もったいないぐらい大量の水で流す。
狭い部屋に詰め込まれ、3枚の敷布団に4人で寝ることもない。
今日は12畳を独り占めだ。
エアコンもある。
硬い敷布団で腰が痛くなることもない。
快適な低反発マットだ。
何と言っても風呂があり、汗を流すことができる。
髪を洗ってドライヤーで乾かす。
うーん、快適。

<睡眠>
なぜ夜寝られないのか。
よく考えたら、消灯8時15分で寝られる訳ないじゃない。
普段は11時半に寝る習慣だ。
いくら早起きして運動したといっても、この時間に寝るのは無理だ。
この体内時計を打ち消すには負荷が足りなかったようだ。

<日焼け>
帽子をかぶり、サングラスをかけ、強い日焼け止めをしっかりと塗ったが、顔は多少日焼けした。
首に日差しを浴びたのはほんの僅かな時間だが、日焼け止めを塗っていなかったので若干赤くなっている。
今回ノースフェイスのSPF50という手袋をしたので、手は問題ない。
長袖長ズボンで顔と首以外はほとんど露出していない。

<練習>
10時のバスに乗れたおかげで帰宅は15時15分。
そのためたっぷり3時間練習することができた。

<ご飯>
山小屋での朝食と夕食はご飯をおかわりできる。
この機会を逃すと、非常食などすぐに尽きてしまう。
夜はどんぶりご飯を2回おかわり、朝もおかわりした。
ただし最初は少なめに入っている。
女性はこれぐらいしか食べない人も多い。
朝食をしっかりと食べると、それから数時間は登山していてもスポーツドリンクを飲む必要性を感じない。
水だけで十分だ。

<混雑>
混雑した山小屋は初体験だ。
種池山荘も冷池山荘も混んでいたが、特に冷池山荘は敷布団が四人に三枚しかなかった。
これで休日になったら二人で一枚か?

<いびき>
種池山荘で隣になったおじさんはひどかった。
轟音と言っていい。
あまりにひどいので頭を逆にしたら、向こうの人の足が夜中に2度ぶつかってきた。

<福井の皆さん>
冷池山荘の喫茶室で本を読んでいたら、おじさん4人グループが相席で座った。
「あれ?あなた昨日の晩隣の人のいびきがひどくて眠れず頭を逆にした人だよね?」
昨晩相部屋の皆さんだった。
福井県からいらしているとのこと。
70代とのことだが、とてもお元気そうだ。
何しろ鹿島槍ヶ岳に登るのだから。
白山には毎年4回ぐらい登っているそうだ。

<パウダー>
スポーツドリンクのパウダーを忘れてしまった。
チェックリストに書いていないのが問題だ。
山荘では宿泊者には水1リットルはサービス、それ以上は1リットル150円。
ペットボトルの水は350円、スポーツドリンク500円、生ビール900円!
ヘリコプター代が高いのが理由だ。
仕方なくスポーツドリンクを2本買って1000円払った。
お金の問題だけではない。
山ではゴミは全て自分で持ち帰らなければならない。
ペットボトルを買えばその分持ち帰るゴミが増えてしまう。

<アルコール>
元々3000m近いところにある山小屋では寝ていても心拍が速くて気持ち悪い。
酒を飲めばさらに上がる。
酒は高山病を悪化させる。
夜中にヘッドランプをつけて暗い中トイレに行かなければならない。
みんなよく飲んでるなと思う。

<蛇口>
蛇口から出る水は雨水に消毒薬が入っており、歯磨きの際口をゆすぐのも駄目。
ペットボトルの水を持って行ってそれで口をゆすぐ。

<着替え>
山では着替えない。
着替えてもいいが、着替えは自分で運ばなければならない。
ザックが重くなれば命に関わる。
今回下着はミズノのドライベクターを着たが、あれだけ3日間汗をかいたのにほとんど匂わない。
そのまま着ていればすぐに乾く。
ファイントラックも素晴らしい性能だが、やや保温性があるので今回はやめておいた。

<綿>
何度も言うが、山で綿を着てはいけない。
汗がなかなか乾かず、命に関わる。
すぐに雑菌が繁殖して臭くなる。
狭い部屋でそんな人に隣で寝られたら迷惑で仕方がない。
夏は暑く、冬は寒い。
今の世の中には夏にはもっと涼しいウェアが、冬にはもっと暖かいウェアがある。
綿の方が肌触りがいいというのも昔の話だ。

<単線>
岡谷付近って単線なんだ。
知らなかった。
まさか特急あずさが通る路線が単線とは。

<空調>
あずさで車内放送があり、外が暑すぎるため空調の効きが悪い、ブラインドを閉めてくれると冷房効率が上がるとのことだった。

<電波>
やはりドコモはかなり通じる。
他社を圧倒している。

<3倍?>
鹿島槍ヶ岳南峰から北峰を往復して南峰に戻ると、おばさん二人に話しかけられた。
「あんた早いね!私たちもそれぐらいのことができればいいんだけど、歳が3倍も違うからね。」
あのー、3倍ということはないと思いますよ。
私48歳ですから。

<火傷>
家族四人か、それとも祖父母と孫二人か。
高校生ぐらいの男子二人が顔も腕も真っ赤に日焼けして痛そうにしている。
自分たちがそうやってきたからといって子供達にも同じようにさせるのはかわいそうだ。
一人はそっぽを向いている。
こんなところに連れてきやがってと思っているのだろうか。
こんなにひどい日焼けは火傷と同じだ。
対策を考えてやるのは連れてくるものの義務だと思うが。
しかも綿のTシャツ。
あり得ない。

<図鑑>
種池山荘には「日本の高山植物」、冷池山荘には「山荘図鑑」という、いずれも分厚い図鑑が置いてあった。
かなり詳しく載っている。

<眠くない>
二晩もなかなか眠れず、夜中に目が覚め、寝不足の筈なのに日中眠くない。
今夜ももう11時過ぎているのに眠くない。
大丈夫か、私?


C=C氏の協力により名前が分かった花。



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