2016年7月21日平ヶ岳


日本百名山54座目。

標高2141m

平ヶ岳といえば長大な尾根をアップダウンを繰り返しながら11時間かけて往復するしかない秘境の山として知られている。
しかし検索してみると、別のルートが出てくる。
銀山平の山荘か清四郎小屋に泊まり、車で中ノ岐登山口まで送ってもらう。
銀山平の山荘であれば車は待ってくれているので往復6時間程度。
清四郎小屋なら縦走して8時間かかる。
人数が揃わないと車を出してくれないが、今回奥只見山荘のホームページに「催行決定、空きあり」という記載があり、そこに申し込んだ。
最初は往復するつもりだったが、縦走した方が楽しいので縦走することにした。

3時10分に目覚ましをかけていたが、2時30分に目が覚めた。
マイクロバスに乗り、3時50分出発、中ノ岐登山道5時15分到着。
途中にゲートがあり、その先は未舗装で、速足程度でゆっくり走ってもかなり揺れる。

5時20分出発。
玉子石分岐まではひたすら急登。
1時間40分かかった。
山と高原地図には3時間とあるが、これはどう見てもおかしい。
玉子石分岐に、「ここまで2時間20分ならOK。2時間30分より遅い人はもうちょっと頑張って。」と書かれているが、こちらが正しい。
年配の女性グループでも2時間以内にここを通過している。
平ヶ岳は難易度の高い山であり、ここを登ろうという人は皆すでに百名山を数十座は登っている。
途中に小屋はなく、極端に遅い人はこの山には来ない。

ミヤマシシウド





ソバナ











カニコウモリ





ゴゼンタチバナ



今日は山の上部はずっと雲の中だった。
展望がないのは残念だったが、玉子石分岐から先は湿原が広がり、お花畑がまるで天国のようだった。
三角点の先は行き止まりだが、ニッコウキスゲが目を楽しませてくれた。

イワイチョウ





キンコウカ





ハクサンシャクナゲ





モウセンゴケ





チングルマ





シラネセンキュウ

















ハクサンフウロ





モミジカラマツ











アカモノ





タテヤマリンドウ





イワショウブ





ワタスゲ





アキノキリンソウ





姫ノ池





ギンリョウソウ





ツルアジサイ



姫ノ池から先は急斜面の下りになる。
鷹ノ巣から11時間かけて往復する人たちとすれ違った。
皆さんかなり疲れている様子だった。

途中水場が二か所あるが、片方は枯れていたし、もう片方は汚れていてとても飲めるようには見えなかった。

やはり縦走は楽しい。
空間の広がりが往復するのとは全く違う。
展望のいい道が続くが、燧ケ岳などの山々の上部に雲がかかっていたのが残念だった。

ミヤマママコナ





コメツツジ




台倉山から先は、バスまでかなり時間が空くのでなるべくゆっくり歩いた。
下台倉山からは、台倉山の右遠方に平ヶ岳山頂を見ることができた。
ということは今なら山頂からの眺めがあるということだが、今山頂にいたらバスに間に合わない。

来た道を振り返る。
右遠方に平ヶ岳山頂。





右遠方に燧ケ岳。



左右が切れ落ちたやせ尾根は、注意して渡れば問題ない。
ただ、雨で強風など条件が悪いと怖いかもしれない。
急斜面が多く、ロープがいくつかついていた。
特に1か所どうしてもロープに頼らざるを得ないところがあったが、ロープに頼るとバランスを崩しやすい。






リョウブ



鷹ノ巣登山口まで丁度8時間だった。
長めの休憩を入れたりしたので、普通に歩けば7時間40分ぐらいだっただろう。

フジバカマ





コオニユリ









山と高原地図には登山口から清四郎小屋まで25分と書いてあるが、どんなにゆっくり歩いても15分だ。
これも清四郎小屋に書いてある800m徒歩10分が正しい。

清四郎小屋で蕎麦を食べようと思っていたのだが、最近はやっていないようだ。
バスまで2時間15分、途方に暮れた。
携帯も圏外(ドコモ)。
最初の1時間はひたすらガイドブックを読んだ。
そのうちに宿泊客が来て小屋のご主人と話し始めた。
清四郎小屋は老夫婦が個人で経営している。
昔は小屋が9軒あったそうだが、現在は1軒のみ。
釣り客も多い。
営業は5月から11月、それ以外の期間は雪に埋もれる。
鷹ノ巣登山口の標高は840m、夏は涼しい。
登山道は昭和39年に調査し、40年に新潟県主導で地元の人たちで作ったそうだ。

ようやくバスに乗れた。
バスと船は予約制だ。
船は奥只見湖を40分かけて渡る。
奥只見ダムで浦佐駅行のバスに乗り換える。


船着き場からバス停までは徒歩10分ほど。
途中下り坂のところで100円でケーブルカーのような乗り物に乗せてもらった。

きついのは最初の急登のみ、その後は登り返しがあっても緩やかで長くは続かない。
それほどダメージはなく、翌日会津駒ヶ岳に登る余力ぐらいはある。
もちろん鷹ノ巣から往復する人はもっと大変だ。

上部が雲の中だったのは残念だったが、この山はチャンスに乗らないとなかなか登れないので仕方がない。
山の奥深さ、広大さ、長大な登山道、山頂部の湿原、お花畑を堪能できた。


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